昭和17年
3月
2日
姉2、3と一緒にいる。
姉2がわたしたちに思い出話をしているのだが、なぜか目の前にはその光景が広がっている。詳しい内容は覚えていない。姉の生徒たち、姉の友人。生徒たちはバレーボールかバスケットボールのチームメンバーで、姉はそのコーチをしている。何か大きな試合(トーナメント)があるらしく、その練習に一生懸命だ。が、姉の話によると、そこで何かトラブルが起きて、2回戦か3回戦敗退、とにかく優勝することは出来ず、その年は苦い経験のままシーズン終了だった、ということだった。
姉の友人というのがチームメンバーより1、2歳しか違わないような小僧だった。姉は名前を呼んでいたが、もう覚えていない。姉曰く、彼が彼自身の体験から、生徒たちを引っ張ってくれるんじゃないかな・・とかなんとか。その様子をわたしと姉3は実際にそこにいながら見ている。
男の子が廊下を走りながら体育館へ向かっている。わたしは姉3に「これは夢なんだよね」と言ってみた。姉は、うん、と頷き、「でもどうしようもないよね」と言う。夢の中で夢を自覚したら、目が覚めてしまうかもしれない・・・そんなことを思いながら、でも、なぜあの男の子は夢の中で生きていられるのだろう?と、不思議に思う。彼の年齢が時間軸に合っていないのはおかしい?おかしくない?考えれば考えるほど、わからなくなり、こちらまでおかしくなってしまう。
「じゃぁあの男の子に訊いてみるよ」と姉に言う。「夢だってこと、気づかれないように訊く」
廊下を走っている男の子に声をかけた。
「ねーねー、今って何年?1900・・・何年?」
男の子はわたしをじっと見て、変なことを聞くもんだ、という顔をして何も言わない。あっ、西暦がわからないのか!?そこでこう聞き直した。「昭和何年だっけ?」
男の子は、あぁという顔をして「昭和17年!」とだけ言って駆けて行った。
「わかったよ!昭和17年だって〜」
姉のところへ戻り、そう伝えた。が、伝えた途端、怖ろしくなってきた。昭和17年って、あり得なくない?それって随分前だよ。戦争終結前だよ、、、、姉、生まれてないよ、、、わたしたちもみんな、生まれてないよ、、、
姉3は、そら夢の中だし・・と言いかけたが、姉もまた不安な顔になった。どこかですり替わってしまったのか?そう言えば、姉2の姿がない。誰かの夢に入り込んでしまったのかもしれない。どうする?このままだと帰れなくなるかも、、、夢から帰れなくなるかも、、、昭和17年、17年、、、、何度計算してもやっぱりあり得ない設定だ。自分の誕生年を思い出し、さらに怖ろしくなってしまう。
今朝、姉1よりLINEの返事あり。
姉2が相当参っているので電話してあげて、ということだった。
姉は夢でそれを伝えたかったのか?
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