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  • ユメモ(山羊島の家)

ユメモ(山羊島の家)

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11月19日







義両親の引っ越し先に招かれて出かけて行くと、そこには別の家族が住んでいた。近所の人の話では彼らは「引っ越し先をまた新たな場所に変えた」らしい。また???と内心思いながらも、お金あるからね〜、と夫とともに納得する。



寝ていると、ザザーンザザーンという波の音で目覚めた。気にしないようにして眠りにつくが、今度はこどもたちのくすくすという笑い声で目覚める。窓が開いているのだ、と思い、立ち上がって確かめに行く。
わたしたちは畳の部屋で寝ていた。開きの戸が少し開いていて、その向こうは狭い廊下のようになっている。その廊下のドアも薄く開いており、そこから砂と一緒に波が打ち寄せて来ている。え!?いいの???これ、マズいでしょう、と焦る。とにかくドアを閉めなくては。


mこ、姉ちゃんの新しい家、凄いよ。
いつの間にか後方に姉3が立っており、嬉しそうに言う。
姉ちゃんの家、なんで引っ越し先を変えたの。
姉1は町の某家屋に引っ越すことになっていた。なのに直前になってそれを変更したのだった。頭の奥の奥隅で、あれ?引っ越したのは義母たちじゃなかったっけ?と、うっすら思うが、いや違う姉1だったな、と思い直す。
タヅキの家に世話になるような気がしてね、止めたのよ。
姉1が来てそう言った。
お金あるから大丈夫だよね。
姉3が冗談ぽく言う。
お金あるなしはどうかわからないけど、どう?ここ?いいでしょう?
姉1が嬉しそうに言う。
mこ、裏の山がまた凄いっちば。見て来てみ。
姉3が興奮気味に言う。誰も波が打ち寄せて来ているのを気になどしていないようだ。
廊下をぐるりとまわって行くと、窓から山羊島がかなり間近に見えた。というか、山羊島にいるのか?
姉ちゃん、山羊島ごと買ったの!?
驚いて訊ねるが、姉1はそこにはいない。姉3はふふふーん、と得意気に笑っている。
ここ全部、姉ちゃんの土地だれば家をあと2軒くらい建てられるんじゃないか?
そんな話をしながら姉1を探す。

波が打ち寄せて畳とか駄目になるんじゃないか、と姉1に訊く。さっき寝ていたところの廊下は砂と波が入って来てたよ。
姉1は、そうなのよね、そこらはやっぱり工事に入って貰わんといかんね。
姉ちゃん、台風とか来たら危ないんじゃない?
何せ、この家は海風をまともに受けるところ(というより、間近から直撃だ)建っているのだ。
うん、前の台風のときには家ごと沈んだって、前に住んでたひとが言ってた。
えっ!沈んだって、いいの?そんなんでいいの???
驚愕していると、姉3が、mこ、こっち来てみ。と連れて行かれた。

戸を開けるとそこは大きなガラス張りとなっていて、なんと海中が丸見え。水族館のようだ。
ジンベイザメまでがゆぅらりと泳いでいる。それを追ってCがガラス板越しに飛びかかろうとしていた。
え?何これ?え???
ね、だから海中に沈んでも大丈夫なわけよ。姉3が誇らしそうに言う。

それでも、、、と戸惑う気持ちはあったが、姉たちの顔を見ていると、まぁ大丈夫なんだなと思えて来た。

けど、仕事にはどうやって行くの?あの岩山・・・
姉1はまだ仕事してたっけか?そう思いながら訊く。
そうね、15分強は歩かなくちゃいけないけど、それくらいは良いでしょう。姉1は気軽に答えた。

そうなのか・・・。

わたしは、山羊島に住むことのメリットとデメリットを考えながら、でもこれで姉1の家へ遊びに行くのがますます楽しみになった、と思う。それから、いつかここに住むことになったら、歩くのが大変だな、、と思う。そして、色々な箇所の修繕を早くして欲しいな、と思っていた。








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