6月3日 母と一緒にご飯を食べている。 ご飯の上には母が昔よく作ってくれた佃煮ふりかけが乗っている。 美味しい、、、こんな美味しいのはないね 母にそう言うと、ヤスおばが買ってくれたんだけど、どこで買ってくれたんだかわからんちょね、もっと買いたいけど、と母が言う。 冷蔵庫にあるその佃煮ふりかけを見てみると、包装紙に包まれたままになっていた。そしてその包装紙には「系前」と江戸文字のようなフォントで書かれている。 ヤスおばが作ってくれたわけじゃないのか、と驚く。母曰く、ヤスおばももう佃煮とか作れんのよ、大変だから、と言う。そうだろうなぁと思う。母もヤスおばも、もうおばあさんなのだ。 姉3と一緒に母を連れて(母は車椅子だった)ヤスおば宅近くの古いお土産小売店のようなところへ行く。小さなアーケードになっていて、いくつかの店がそこに並んでいる。そのひとつ、角にあるお店の暖簾に「系前」という江戸文字を見つける。 母ちゃん、あったよ、系前!あそこに系前っち書かれとる! お店には中年の女性と年老いたおじいさんがいた。おじいさんが言うには、もうその佃煮ふりかけは作っていないのだ、と。 年に一回大量に作るだけです。もうね、18年度の分はこれだけしか残っとらんけど。 母に、残っている佃煮ふりかけを全部買うか、と相談する。 母は、誰々に分けようか、とか言っている。 そんなに数ないのに、、、とわたしは心配している。