Business Roundtable Series - Social Media: For Your Business? -
交流部会長 鳥原 正
Nichirei U.S.A., LLC
10月24日(水)、日米協会、ワシントン大学と共催で毎年開催されている、Business Roundtableシリーズ第4弾が、新しくオープンしたばかりのワシントン大学Foster School of BusinessのBisiness Hallで開催されました。今回のテーマは「ソーシャルメディア」。Microsoft, Starbucks, Nikkei Concerns, NicoNIco Inc., PSP, Inc.にパネリストとしてご参加いただき、大企業、中小企業、NPOなど様々な異なる視点から、「ソーシャルメディアとは何か、どのように活用してどういった効果を挙げているか」という事例の紹介が行われました。以下は簡単な要旨です。
Microsoft/ Brion Taylor氏およびIvy Workwide/ Nick White氏
Taylor氏:15年間のセールス・マーケティング活動において、成功の鍵は「顧客やパートナーとの関係構築ができていたかどうか」である。ソーシャルメディアをマーケティングにどう利用するかを考える前に、最も重要なことは「顧客とどうよい関係を構築するか」であることを忘れてはならない。
White氏:ソーシャルメディアを戦略的に利用するには、そのダイナミクスを理解する必要がある。消費者はいつも賢い購買を行うための情報を欲している。例えば、新しい物を買おうというときに、ブランドからの情報はもちろん、第三者がその商品についてどう評価しているかという客観的な情報、口コミ情報は大きく購買行動に影響を与える。ソーシャルメディアによる「口コミ」効果をどう活用すべきかについて解説。
Microsoft・Taylor氏 Ivy Workwide・White氏
Starbucks/ Mark Fordham氏
Starbucksは、4970万人のグローバルFacebookファン、250万人のTwitterフォロワー、750万人もの月間ウェブサイト訪問者を保持。リテール業界で最高のモバイル商取引額を記録するなど、業界でもソーシャルメディア活用には長けていると言えるだろうが、最も根本にあるのは、「お客様とのコーヒーを通した誠実なコミュニケーション」。63カ国で国際的に展開しており、家(QFCで買えるスタバコーヒー)、オフィス(アラスカ航空で振舞われるコーヒー)、第三の場所といわれるストアー、第四の場所であるオンラインなど様々なお客様との接点があるが、全てにおいて一貫した関係をお客様と築くことを大切にしている。また、新しいつながり方としてのスターバックスカードアプリについても紹介。
Starbucks・Fordham氏
Nikkei Concerns/ Patty Hirro Mastrude氏、Megimi Haskin氏
中核となる顧客が80歳以上であり、全くソーシャルメディアを活用した経験がなかった状況から、Facebookによる投票でToyota 100 Cars for Goodの1団体として選ばれるまでの取り組みについて(従業員やボランティアネットワーク、サポーターネットワークの活用。紙媒体であった「たより」のE-News版導入など、新旧媒体をミックスして活用するなど)発表。また、Facebookキャンペーンの参加により、コミュニティーの団結力が高まり、また、より若い世代へのリーチが可能になるという効果が得られたことを紹介。
Nikkei Concerns・Mastrude氏とHaskin氏
PSP,Inc /Mayumi Nakamura氏
ソーシャルメディアはFacebookやTwitterなどよく知られたものに限らず、オンラインを通して人とつながるツールであれば規模に限らず大きな力を発揮する。実際、2011年3月に行った東北大震災に際し、PSP社は自社のオンラインメディアをフル活用してJapan Relief Effortsを開始したが、3日間で5万ドルのレシートが届くという大きな反響を得た。ソーシャルメディア活用で重要なのは、あきらめず、毎日コンスタントにメッセージを送り続けること。
PSP, Inc・Nakamura氏 NicoNico Inc.・Spahn氏
NicoNico Inc. / James Spahn氏
NicoNicoライブ放送を通して今、5,500名もの人が世界各国からオンラインでビジネスラウンドテーブルに参加している。これが、ソーシャルメディアのパワー。いつでもどこでもインターネットにつながれる環境が整い、iPad, Surcface, Kindleなど様々なチャネルが増える中で、これからもっとソーシャルメディアが有効になるだろう。また、ユーザーの動向として、PCからモバイルへの移行が進んでいる。東北大震災の際も、携帯を通して、危ない箇所や自分の安否をNicoNicoで放送するケースが多く見られた。異なる場所にいる人たちがつながれるソーシャルメディアプラットフォームはこれから様々な場面での応用可能性を秘めている。
当日は約100名の参加者が会場に集まり、活発な質疑応答が行わました。また、パネルディスカッション終了後も、多くの方がレセプションに参加され、引き続き意見交換、歓談を楽しまれていました。
最後に、今回パネリストとしてご協力いただいた方々、また、レセプションへのご寄付をいただいた下記企業の皆様に改めて厚く御礼申し上げます。
レセプションスポンサー企業
PSP,Inc.
Nico Nico Inc.
Ivy Worldwide, Inc.