私はひとつの想像をしました 雲の上にいる友人は虹をつくっていると ≡ 1 ≡ 水蒸気をバケツで集め、休む暇もない 虹の作業員は近頃忙しい 雲の上ですってんころりん 笑って楽しい雨を降らせている たまに威張って指示する班長に叱られながらも あっち行って、そっち行って、水蒸気を追いかける 「班長様、あなたも水蒸気を集めを手伝ってください」 「バカを言うな、俺は班長だぞ!」 「そうでした。あなたは班長様、失礼しました。 でも、汗をかくって気持ちいいですよ」 「俺はもう疲れたんだよ。口しか動かないんだ!」 「苦労されたのですね……」 「わかればろよしい」と、直立不動の班長は言った 「えーと、班長様に訊きたいことがひとつあるのですが?」 作業員は恐る恐る班長の顔を覗き込んで言った 「お前は虹の作業員だろ。喋る暇があったら水蒸気を集めろ!」 「はい」 班長の大きな声に作業員はすってんころりん 雲の上に仰向けになると太陽がぽっかり浮かんでいた 作業員は班長から叱られるとドキドキしてしまうので すぐに立ち上がり、また水蒸気を集めはじめた 「おい、太陽が出ているだろう。作業は終わりだ」 「はい」 続く。。。