朝日新聞/沖縄で戦死した祖父の寄せ書き日章旗 遺族のもとへ(Japanese Newspaper featured flag return in OITA)
1月
19日
第2次大戦中に沖縄本島で戦死した大分県藤原村(現日出町)出身の元日本兵後藤今朝治さんの遺品の日章旗が、遺族のもとに戻ってきた。米兵が米国に持ち帰っていたが、民間団体の仲介で戦後76年たって返ってきた。
孫の辰徳(よしのり)さん(45)=大分市松が丘=によると、今朝治さんは、辰徳さんの父である生後間もない長男を残し、1945年7月1日に沖縄本島で、30代前半で戦死したという。そのため、祖父がどのような人物だったかは、父親から聞かされることもなかった。
日章旗は、今朝治さんが出征する際に家族や身近な人が寄せ書きなどを添えて贈ったものとみられ、祖父や祖母の名前と、生後間もない辰徳さんの父の名前も記されていた。「大和魂」「男子乃本懐」のメッセージと一緒に、多くの人の名前もあった。
日章旗は、米カリフォルニア州のリンダ・ハーンさんが、米兵だった父の遺品として所有していた。戦時中の遺品を遺族のもとに戻す活動をしている米国の「OBONソサエティ」から日本遺族会を通じて調査依頼があり、大分県遺族会連合会や藤原遺族会の協力を得て持ち主が分かった。
16日、大分市の県護国神社であった返還式には、辰徳さんと妻美穂さん(47)が出席。県遺族会連合会の末光秀夫会長が「日章旗は、最期まで肌身につけていた戦没者の魂。家族に会いたいという思いで、返ってきたと思う」と語った。
返還式では、日章旗を保管していたハーンさんのメッセージも披露された。ハーンさんは「この旗があなた方を少しでもお慰めできますよう望んでいる。旗があなた方のもとへ帰っていくことは、私への慰めにもなります」とつづった。
辰徳さんは「きっとこの日章旗は祖父が最期まで、離さず持っていたのでしょう。これを見ると、戦争の悲惨さや平和の大切さを改めて強く思います」と語った。 https://www.asahi.com/articles/ASQ1K725LQ1JTPJB002.html?fbclid=IwAR0zCzJRxn5yZ9xgdisoqCdRnFORimsjNZu_CNEJCPCM01T6NlT1oE_o40g
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