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絵日記綺譚

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  • 金曜ロードSHOW!『風の谷のナウシカ』

金曜ロードSHOW!『風の谷のナウシカ』

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「金曜ロードSHOW!」ファンにとって、2013年の忘れられないビッグ・ニュースと言えば「宮崎駿監督の長編アニメーションからの引退宣言」。今夏に公開された引退作品である「風立ちぬ」まで、発表するすべての作品で世界中のファンを笑わせ、泣かせ、心を揺さぶってきた宮崎駿監督。その劇場用長編アニメーションのデビュー2作目「風の谷のナウシカ」(1984年公開)が、2013年最後の「金曜ロードSHOW!」に今回もノーカットで登場。





物語の舞台は、大戦争によって文明社会が滅びてから1000年後の世界。海のほとりにある小国「風の谷」が大国トルメキアと工房都市ペジテ市の争いに巻き込まれる。彼らが狙っているのは、人々の命を脅かす「腐海」とそこを守る蟲(むし)たちを焼き払う力を持つ「巨神兵」と呼ばれる巨人型の超兵器。しかし、自然を愛し蟲の心を理解する力を持つ風の谷のナウシカは、彼らの考え方に強く反発する。自らの利益のため、風の谷をはじめ多くの人々と蟲たちを犠牲にすることもいとわないペジテの男たちの暴走と、トルメキアの皇女・クシャナの企みを止めるために、自らの命を賭けて彼らに立ち向かっていく―。
勇敢で可憐なナウシカや、固い鎧で心身を覆っているクシャナらたくましい女性たちと、ハードボイルド全開の旅人・ユパや一本気な青年・アスベル、どこか憎めない小悪党・クロトワら個性的な男性たち。登場するすべてのキャラクターが魅力にあふれ、物語にグイグイ引き込まれる。


ナウシカの愛機・メーヴェが大空を飛び回るシーンの疾走感溢れる映像や、物語に登場する国の個性と歴史を感じさせるゴツゴツとした飛行艇のフォルム。戦車をも飲み込むパワーを持ちつつ、人間を癒す力も持っている謎の存在・王蟲(オーム)をはじめとする蟲たちの造形。透明感とまがまがしさを同時に持ち合わせる独創性に満ちた「腐海」の植物。久石譲による音楽などなど、その後の宮崎作品の核となる要素がすべて詰まっているのも見逃せない。





今年公開された「風立ちぬ」と大きな共通点を持っている点にも注目。「風立ちぬ」で主人公の堀越二郎の声に抜擢された庵野秀明は、この「風の谷のナウシカ」で新人ながら原画を担当。クシャナに率いられてドロドロの巨神兵が火を吹くシーンなどの原画を手掛け、宮崎監督から高い評価を受けたという。そして「風立ちぬ」の宣伝用のキャッチコピーである「生きねば。」は、「風の谷のナウシカ」の原作のラストのコマに書かれたひと言、そのものだ。どんな困難を前にしても自らの信念を曲げずに突き進む主人公の強さや、物語全体を通して描かれる戦争反対のメッセージ、そしてタイトルに入っている「風」の文字まで。宮崎監督が「長編アニメとしてはラスト」と宣言した作品と、彼の出世作との共通点の多さに、驚かされる。


1984年春の公開から来年で丸30年を迎える本作。長年に渡って愛され続けている作品だけに、思わず作品と一緒に呟きたくなる名セリフも満載だ。今回、スマートフォンやタブレットPC用に特設サイトをご用意。名言や感動セリフをつぶやいたり、作品の制作裏話などを知ることができる。家族や仲間とお互いの好きなシーンやセリフを心ゆくまで語り合いながら、年末最後の週末の夜を過ごしてみるのはいかがでしょうか?





<ナウシカ>
島本須美
<ジル>
辻村真人
<大ババ>
京田尚子
<ユパ>
納谷悟朗
<ミト>
永井一郎
<ゴル>
宮内幸平
<ギックリ>
八奈見乗児
<ニガ>
矢田稔
<アスベル>
松田洋治
<ラステル>
富永みーな
<クシャナ>
榊原良子
<クロトワ>
家弓家正

<原作・脚本・監督>
宮崎駿
<プロデューサー>
高畑勲
<制作>
原徹
<作画監督>
小松原一男
<美術監督>
中村光毅
<音楽>
久石譲
<音響監督>
斯波重治







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