夕陽の橋を
渉らなければ よかった
あんなにも
見つめたりしなければ よかった
橋のまんなかで
爪まで小焼け
かなしくないのに
うまれてはじめて涙ながれた
まんなかでは
つむったまま
小石を渉ればつめたくて
心地 いいでしょう
髪の毛も さぞひろがるでしょう
かなしくなくて
石のひとは
ひとよりふかい腕を寄せるでしょう
あかい小石をくちにして
月はあかるく
あかる小石はなるという
*あかる…赤いこと
2009年春
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