人形の瞳に映るもの
5月
31日
アニメ「薬屋のひとりごと」44話。
あまりにもおもしろすぎて、見入ってしまった。
「十二国記 風の万里 黎明の空」を彷彿とさせる描写もあって、
個人的にかなりツボだった。
築かれた砦と、企てられた謀反。
蝶よ花よと育てられ、
親を諫める術を知らなかった、
人形のようなお姫様。
主に対して散々悪態をつきながらも、
礼節を尽くす宰相。
己の器量を疑い、
身分を偽って潜んでいた貴人が、
覚悟の末に下す決断。
まさに、「十二国記 風の万里 黎明の空」の
最終回を彷彿とさせる高揚感。
違うのは、人形だったことを自覚した少女の、
末路な気がする。
「薬屋のひとりごと」に出てくるお姫様は、
なんだかすごく、切なさを孕んでいるから。
どっちが本当の姿かなんて、
どっちが演技かなんて、
そんなの、わかりきっている気がして。
本来の姿でいる時の方が、
まるで、能面を被っているかのようだから。
偽りの姿でいた時の方が、
素顔をさらけ出せている気がするから。
化かしていたのは、猫猫ではなくて、
彼女自身なのではないかと思うから。
もう、切なすぎる。