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- 「犬夜叉」と「半妖の夜叉姫」に思うこと③~順番と緩急と繰り返し~
②で書いた、「アニメ犬夜叉」無印の、
桔梗復活シーン。
詳しく紹介してくださっているブログがあったので、
ご紹介。
アニメ「犬夜叉」レビュー ~15話 悲運の巫女 桔梗復活~
http://anchanging09.blog.fc2.com/blog-entry-20.html
このブログを読みながら、
改めて記憶を辿ってみたけど。
やっぱりこのシーンは私、
断然、原作派だな。
物語の構成、という観点で見ても。
主人公である犬夜叉サイドで過去を語った上で、
桔梗サイドでもう一度「過去」が語られた方が、
犬夜叉の「オレはそんなことしてねぇぞ!?」、
「なんでこんなことになったんだっ!?」っていう、
驚きや戸惑いが伝わってくる気がする。
アニメでは、犬夜叉の回想シーンに尺を取るために、
あえて順番を入れ替えたんだと思うけど。
でも、そのせいで、楓婆ちゃんの反応が
どうもちぐはぐになってしまっている……。
だって、先に犬夜叉から過去を聞いたからこそ、
「おかしい……。そんなはずは……」って思うわけでしょ。
犬夜叉が語ったことが、真実には思えなくて、
でも、彼が嘘をついているようにも思えなくて。
戸惑いながらも、裏陶の元へ向かうわけでしょ。
そんで、そこで姉である桔梗に再会するわけですよ。
強固な結界に守られていたはずのかごめの魂が、
犬夜叉に「前世」の名前を呼ばれた途端に弾け飛び、
まがいものの体に入る。
そして、桔梗が現世に蘇る。
目覚めるつもりなどなかったのに、
無理やり起こされて、
不機嫌なまま、裏陶を滅して、
そんで、切なげな顔で犬夜叉の顔を見つめて、
彼の名を呼んで。
そんでまた、切なげな顔で近づいて、
「本当に、犬夜叉なのか……?」って呟いて。
……からの、「――なぜ裏切ったっ!?」
もう、この流れが最高なんだよね。
アニメだと、桔梗の態度が終始、
怒、怒、怒、だったと思うんだけど。
原作だと、違うんだよ。
絶えず、愛憎の狭間で揺れ動いているんだよね。
楓婆ちゃんだって、もはや仲間同然の犬夜叉と
敬愛する実の姉の間に挟まれて、
難しい立ち位置なわけで。
そんな中で、怒りに打ち震える姉が、
犬夜叉を攻撃するのを必死に止めようとする。
それがすごくいいのにさ。
アニメじゃ、いきなり桔梗が血まみれになって、
驚く犬夜叉に対して楓婆ちゃん、
「おまえがやったのだろう」って。
そりゃ、ないぜ。
そのくせ、「お姉さま、犬夜叉は敵ではありません」って、
矛盾しとるがな……。
アニメで丸々カットされた、
「黙れっ!!」のあのシーンだってさ。
あれだけで、犬夜叉と桔梗のふたりが
好き合ってるのが伝わってくるじゃん。
身に覚えのない濡れ衣着せられて、
理不尽に攻撃してくる相手をぎゅっと抱きしめて、
「おまえも辛かったんだな……」って、
「オレよりも、ずっとずっと辛かったんだな……」って、
ぐっと来るじゃん。
ほだされそうになるじゃん。
そんで、そこで一度、鎮まるからこそ、
次に来る憎悪の激しさが際立つんじゃん。
原作だと、この緩急が見事なんだよね。
犬夜叉に抱きしめられて、
鎮まりかけたように見えた桔梗が、
再び憎悪を燃やして、
犬夜叉に襲い掛かる。
もはや太刀打ちする術無し、
といったところで、
ついにかごめが意識を取り戻す。
物語の基本は「繰り返し」、
そのものじゃないの。
桔梗と犬夜叉の過去の描写だって、
まさにそうだし。
1巻冒頭で描いてからの、
5巻中盤で犬夜叉の夢として再描写して、
5巻終盤&6巻序盤で、
犬夜叉と桔梗、それぞれの目線で「真実」を語らせる。
本当に、見事だと思う。
それを、順番入れ替えてまとめて尺取って、
犬夜叉が桔梗のストーカーっぽいことしてるのとか、
生前は、巫女として自分を律しているはずの桔梗が、
ふらついて犬夜叉に抱きしめられて恥じらうとか、
そういうのを回想シーンに入れるのは、
なんかイメージ狂うんだよなぁ。。。
アニメから見た人にとっては、
あれがスタンダードになっちゃうんだろうけども。
桔梗の一方的な激しい憎悪を見せられてから、
犬夜叉の淡い恋心を見せられても、
犬夜叉、あんた、厄介な相手を好きになっちゃったねぇ、
としか思えないような……。
実際、ついさっき、
改めて動画サイトで該当シーンを見直してみたけど、
そう思っちゃった(苦笑)
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