それは、一種の羨望でもあり、感動でもあり、尊敬でもある。
歌詞を読み込めば読み込むほど、すごいと思う。
どうして、こんな詩が書けるんだろう。
「雨の音」が「ついてくる」だなんて。「あの日と今」を「空と空でつなぎたい」だなんて。
同じ空の下だとか、空でつながっているだとか、そんなんじゃなくて、「空と空でつなぎたい」。
その発想、どこから来るの?
そもそも、「逆さまの蝶」というタイトル自体、尋常じゃないし。
「言葉にしたくない気持ち」じゃなくて、「言葉になりたがらない気持ち」だなんて。
「人がいくら手を伸ばしても 人の中に届かない場所がある」だなんて。
それでいて、「声にならない一人ひとりの思いが好きだから」って……。
そりゃ、泣きそうにもなりますよっ!!
曲全体を好きになったのは、「逆さまの蝶」の方が先。
でも、歌詞のすごさに気付いたのは、「NightmaRe」の方が先。
「NightmaRe」は、「あなたがいない悪夢」を見ている少女の歌だと思ってた。
でも、歌詞を最後まで読んで、ひとつの可能性に気づいた。
もしかしたら、この曲は。
「あなたがいない悪夢のような現実」を受け入れられないでいる少女の歌なのかもしれない。
だって、「隣にあなたがいた」、「今もきっとそばにいるの」って。
「アラームが鳴ったって、あなたの声しか届かないんだ」って。
「太陽なんかいらない」、「あなたの笑顔が今、恋しくて」って。
現実であることを受け入れたくなくて、ずっと目をつぶってる少女が浮かんじゃったよ。
これは夢だって、必死で自分に言い聞かせてる。隣にあなたがいるって信じたくてたまらない。
そんな少女の歌なんじゃないかって思ったら、鳥肌が立った。
そんで、今度は「逆さまの蝶」の歌詞が気になり始めて、改めて読んでみたら、これですよ。
意外な言葉を組み合わせて作る斬新な表現ってヤツには、昔から慣れ親しんできたつもり。
でもこの歌詞は、そういう次元じゃない。
組み合わせの違いは、結果でしかない。
スタートが違う。視点が、違う。
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