わたしはわたし。
誰かのための首振り人形じゃない
よくわからないときは「私も同じ」て言っておけば
悪いことは起こらないと思ってた
ひとに合わせておけば、問題ないって思ってた
きっと、そのこと自体が問題だった
私が私じゃなくなった
身代わりなんて五万といる存在になった
違う 違うのにって ずっと叫んでいた
ずっと叫びたかった
そのくせ、自分は誰かに頷いてほしかった
「そうだね」の一言がほしかった
そうじゃないと踏み出せなかった
だから、自分が欲しい言葉を人にあげた たくさんたくさんあげた
たくさんの「そうだね」を返した 「うん」を返した
「私もそう思う」を返した
返して返して、それがくせになった
叫ぶより先に頷いていた
疑問に思うより先に笑っていた
その場の空気と化していた
だけど
わたしはわたしだよ
他の誰でもない
他の誰にも身代わりなんてできやしない
わたしなんだよ
それがわたしなんだよ
わたしは誰?って思ってた
何者かになりたかった
何者かになりたくてもがいてた
もがけばもがくほど遠ざかった
私がわたしを殺していたから
私はわたしが感じることを禁じていたから
踏みつけたその足を そっと離してみよう
わたしが呼吸できるスペースを空けよう
ゆっくりでいい 感じてみよう
わたしの声を わたしという存在を
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