日本人を苛立たせる韓国1:数十年前はどうだった?
11月
30日
日本の植民地時代を生きた台湾のお年寄りを取材すると、「あの頃、慰安婦は軍の将軍よりも大きい家を建てて住んでいた」と言います。驚くことに「稼ぐだけ稼いで、今は被害者として賠償金でぬくぬく暮らしている。本当にずるいよ」という声も聞かれました。もちろん台湾と違い、韓国統治時代は終戦に近づいていた頃でもあり、状況は変わっている可能性があります。また、日本の貧しい家の娘のように、斡旋屋に騙されて連れていかれたという悲惨な実態もあるでしょう。
誇張され続けるこの問題に対して、日本人にも言い分があります。しかし、韓国人が慰安婦像を建てるのをとめることは、不可能だと思うのです。
国と国で約束を結んだとしても、像を建てようとしているのは「個人の韓国人」となっています。韓国政府が本気でそれをとめると思いますか。「とめても聞かない」と言って体裁だけ取り繕って終わりです。
それにそもそも、建てたいならしょうがないのです。日本人が原爆記念碑を世界のいずれの私有地に建てようと、世界の政府関係者と交渉して建てさせてもらうようにしようと、アメリカ政府にとめられないのと同じように。
では日本人はどう対応していけば良いか――それは1980年代以前の日本自身の姿に学ぶことができます。
私は1980年代に初めて韓国を訪れました。そこで韓国の人々から驚くような発言をたくさん聞きました。
例えば、「本当の日本人はアイヌ人だけ。皆、韓国人」「日本人は質の低い民族だから、韓国人のような苗字(1文字。中国系)を持たせてもらえなかった」「日本人はお金でしか動かない」などなど。皆、心からそれを信じていました。
特に3番目の「お金の~」に関しては、1990年代に韓国人の友人から見せてもらった政府発行の観光ガイド認定用テキストブックの中にもそう記述されており、かつそれを丸暗記しなければ試験に受からないようになっていました。
当時、私は韓国のニュースや新聞で日本があまりにも頻繁に取り上げられていることに衝撃を受けました。いずれも「世界中が日本を非難しています」や「日本の計算高さは…」などの強い表現ばかり。私は韓国のことをよく知らずに育ったので(当時、多くの日本人が韓国の存在を意識していなかった)、「見ず知らずの国でこんなに連日悪く言われていたとは!」と、反感というより、不思議な気持ちになったのを覚えています。
話が横にそれてしまいましたが、大切なのは「いちいち反応しないこと」です。
あのインターネットがなかった当時、韓国の罵詈雑言は日本に全く届いていませんでした。日本人は悠然としていたのです。日本人がどれだけ韓国を嫌いになろうとも、慰安婦像は増えていきます。それどころか憎悪が憎悪を生んで、悪い方向にすら向かいます。日本には、歴史的事実を世界に発信しつつ、他者の行動に神経をとがらせることよりも、女性の人権向上や世界平和のために邁進し、世界を導く方向に向かってほしいと思います。
そして私たち日本人は、まるで1980年代、1990年代の頃のように涼しい顔をしておけば良いのです。あの頃、韓国における反日教育はもっとひどかったですが、抗議もせずに注意も向けずに日本はひたすら成長を続けました。今、まだ韓国は日本という仮想敵国が必要な時代にあります。その政策に日本人が揺さぶられてはいけませんし、そのレベルにまで下がって喧嘩する必要はありません。韓国が落ち着く日がきっと来ます。それまで日本は、悠然と構えていたら良いと思います。
最後に絶対に伝えなければならないことは、それでも多くの韓国人が日本を大好きでいてくれていることです。完全反日の軍事政権が続く1980年代ですら、日本語を話す若者がたくさんいました。一生懸命、勉強してくれたんですね。
1990年代後半から、私は韓国で最も大きい全国区の語学学校(時事英語社)で講師をしていました。日本語のクラスは朝4クラス、夕方からも4クラスで、それが毎日でした。しかも他にも3~4人の先生が同じスケジュールで他のレベルのクラスを担当していたほど、膨大な数の生徒が日本語を学んでくれていました。
韓流が来る前の日本で、韓国語を学んでいる人がどれほどいたでしょうか。そして今も、韓国では国の政策にもかかわらず、日本語を学び、日本を知ろうとしてくれている人がたくさんいます。私たちが韓国を嫌いになっていっている一方で、ずっと日本を好きでいてくれる韓国人の人々がたくさんいます。私はそんな彼らは本当に素晴らしいと思うし、日本人こそそうあるべきだと、心から思うのです。
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