熱があったので、昨日の花火は未鑑賞でした。
「〜未鑑賞」が多い…何でだろう。音だけは聞こえた。先日借りたCDのうち、re:jazzのリミックス盤よりオリジナルの方が遥かに良かったので、レビューを載せます。以下、小川 充氏より (Dance Music Record: 2002)昨今のフューチャー・ジャズ、クロスオーヴァー・シーンを振り返ると、プログラミングの中にいかに生楽器演奏を導入していくか、または打ち込みと生演奏をいかに同化させていくかということが、多くのプロデューサーにとって重要な課題となっていると言えるだろう。クラブ・ミュージックの方法論の一つにリミックスというものがある。オリジナル音源をよりクラブでのDJプレイに則した形に作り変えたものということになるのだが、クラブ使用の12インチ・シングルには、必ずと言っていいくらいにリミックス・ヴァージョンというものが収録されている。ベーシックなパターンの一つとして、オリジナルの歌や楽器演奏は残し、バック・トラックを打ち込みのものに変えるというやり方があるのだが、それは言わば生演奏をデジタルに変換させる行為である。昔の曲をカヴァーしたりリメイクする際にも、大体この方法論に則った形で行われる事が多く、その昔生バンドがやっていたことを、打ち込みやサンプリングで再構築するというものが、現代の一般的なカヴァー曲である。もし、打ち込みの作品を生演奏でやったらどうなるか?現代的なクラブ・ミュージック、例えばハウス、テクノ、ブロークンビーツなどをオーソドックスなジャズの生演奏でやってみたら?それも新たなリメイクの形ではないだろうか。そして、そうした企画を立てたレーベルが、本作「re:jazz」を企てたインフラコムである。インフラコムは、ドイツ中部の産業都市フランクフルトをベースとする自主レーベルで、発足は今から10年前の1992年に遡る。この10年の間にリリースした作品はアルバムやシングルを含めて99枚。そして記念すべき100枚目のリリースが本アルバムとなるわけだ。そして、この「re:jazz」の主旨とは、インフラコムから過去リリースされた様々な作品、当然ながらそれらは打ち込み主体のエレクトリックなクラブ・ミュージックということになるのだが、それらを完全にアコースティックなジャズの生演奏でカヴァーしてしまおうというものだ。ジャズの世界からすれば、比較的若くてフレッシュなミュージシャンやシンガーが参加しており、特にシンガーに関してはいわゆる通常のジャズ・シンガーという人たちではない。クラブ・ジャズもモダン・ジャズも同じ視点で理解できる人という人選から来ているものだろうが、現代ではモダン・ジャズの心や理論はもちろん理解しながらも、それと同時にヒップホップからハウスまで、新しい音楽に対しても常に敏感なアンテナを張っていなければならない。そうした人こそが、新しい時代のジャズ・プレイヤーだったり、ジャズ・シンガーと成り得るのだろう。
- ブログルメンバーの方は下記のページからログインをお願いいたします。
ログイン
- まだブログルのメンバーでない方は下記のページから登録をお願いいたします。
新規ユーザー登録へ