君の上着から一本の白い糸 背中に垂れるそれを引っ張ってみた シュルルル 君は萎み始め 白い糸の先には何もなくなった 僕は白い糸を捨て駅へ向かう 電車の天井から一本の白い糸 まさかと思ったけど引っ張ってみた シュルルル 電車は夜空に吸い込まれて 白い糸は風に飛んだ 僕はレールを歩き自宅へ向かう 玄関のドアに一本の白い糸 家が消えそうだけど引っ張ってみた シュルルル 今度は土に吸い込まれてしまった 白い糸を僕の胸に当ててみたら くっ付いてしまったようだ 僕の胸から一本の白い糸 僕が消えそうだけど引っ張ってみた シュルルル 僕の身体は白く細長くなり 君の背中に垂れ下がっていたんだ 誰か僕を引っ張ってくれ