白い糸
2月
14日
背中に垂れるそれを引っ張ってみた
シュルルル
君は萎み始め
白い糸の先には何もなくなった
僕は白い糸を捨て駅へ向かう
電車の天井から一本の白い糸
まさかと思ったけど引っ張ってみた
シュルルル
電車は夜空に吸い込まれて
白い糸は風に飛んだ
僕はレールを歩き自宅へ向かう
玄関のドアに一本の白い糸
家が消えそうだけど引っ張ってみた
シュルルル
今度は土に吸い込まれてしまった
白い糸を僕の胸に当ててみたら
くっ付いてしまったようだ
僕の胸から一本の白い糸
僕が消えそうだけど引っ張ってみた
シュルルル
僕の身体は白く細長くなり
君の背中に垂れ下がっていたんだ
誰か僕を引っ張ってくれ