風が吹くと 枯葉が降って 乾いた音に 空洞の悲しみは 響いて消える 君の短い人生と ここにいる 僕の人生の長さ 悔しかっただろう 君の視線を感じ 不規則な 枯葉の秒針を 僕は聴いている あの日を 思い出してしまう 一本の電話は 水を失った 君の冷たい 身体の知らせ 僕は泣き崩れ 立ち上がることも 出来なくなって 病を隠し通した その優しさを 今でも恨んでいる なぜ悔しさも吐かず 枯れたのですか 十代の時に 出会った時から 大人だった 君の本当の言葉を 僕は聴けず 缶ビールを供え 線香の煙の 弱々しい線は昇り 今年も枯葉に 聴いている