枯葉の声
11月
22日
枯葉が降って
乾いた音に
空洞の悲しみは
響いて消える
君の短い人生と
ここにいる
僕の人生の長さ
悔しかっただろう
君の視線を感じ
不規則な
枯葉の秒針を
僕は聴いている
あの日を
思い出してしまう
一本の電話は
水を失った
君の冷たい
身体の知らせ
僕は泣き崩れ
立ち上がることも
出来なくなって
病を隠し通した
その優しさを
今でも恨んでいる
なぜ悔しさも吐かず
枯れたのですか
十代の時に
出会った時から
大人だった
君の本当の言葉を
僕は聴けず
缶ビールを供え
線香の煙の
弱々しい線は昇り
今年も枯葉に
聴いている