さくら浮く日曜日の昼どき 川の流れにきらきらと光の魚が泳いで 僕は土手沿いを歩いていました ひらひらと目の前を蝶々が飛び 足元の段差に気付かず 僕は転んで草むらに倒れ込んでしまいました 随分と疲れが溜まっていたのでしょう そのまま、身体を反転させ仰向けになり 鳥のように両手を広げていたのです すると、疲れた身体の重さはみるみる土に 吸い取られるのがわかりました 心も身体も自分のモノではなくなってゆく 心地よさを感じていました もう宙に浮いています これ以上ない青さが目の前にあって動きません とっても爽快な気分の中 人生の終わりについての不思議も感じていました この物語の主人公である僕が居なくなり 僕でさえ僕を思うことができないと考えると 僕が僕を可哀想になってしまうのですから 僕は僕をどれだけ好きなのだろう、と 勝手に照れくさくなりました 風の優しい指がとても癒してくれますが こんな時、明日までに準備しなくてはいけない 資料を思い出してしまいました でも、今はちょっと動けそうにありません 地面と空に挟まれて春を感じているのですから 今、僕は春を生きています