春のサンドウィッチ
3月
18日
川の流れにきらきらと光の魚が泳いで
僕は土手沿いを歩いていました
ひらひらと目の前を蝶々が飛び
足元の段差に気付かず
僕は転んで草むらに倒れ込んでしまいました
随分と疲れが溜まっていたのでしょう
そのまま、身体を反転させ仰向けになり
鳥のように両手を広げていたのです
すると、疲れた身体の重さはみるみる土に
吸い取られるのがわかりました
心も身体も自分のモノではなくなってゆく
心地よさを感じていました
もう宙に浮いています
これ以上ない青さが目の前にあって動きません
とっても爽快な気分の中
人生の終わりについての不思議も感じていました
この物語の主人公である僕が居なくなり
僕でさえ僕を思うことができないと考えると
僕が僕を可哀想になってしまうのですから
僕は僕をどれだけ好きなのだろう、と
勝手に照れくさくなりました
風の優しい指がとても癒してくれますが
こんな時、明日までに準備しなくてはいけない
資料を思い出してしまいました
でも、今はちょっと動けそうにありません
地面と空に挟まれて春を感じているのですから
今、僕は春を生きています