家族
8月
10日
君は反射的にその場を避け
ああ無理、無理
これも無理、あれも無理
それはもっと無理
無理、無理、絶対に無理
個室だけを世界にして
無理と言って布団を被り
今日が始まり今日が終わって
無理が家中に響き
不安が籠り
暗く重たくなってしまうけれど
悔しさに拳を握り
ひとを傷つけてしまったと
自分も傷つくやさしさ
心は自分と闘い
けして逃げているだけではない
君を知っている
押し込んだ感情の言葉から
発信された小さな信号を
今は見逃さないように
私たちは君を無理と言って
諦めやしない
君をずっと待っている