棚番地【文芸・詩】
7月
16日
驚きを隠しきれず
僕は通り過ぎてしまうだろう
それは、君とは同じにはなりたくない
詩を読むことは恥ずかしいこと
けして見られてはいけない
一冊の詩集を手にする
しかし、すぐに足音が近づき
その詩集をすぐに棚へ戻し
背後にあった棚から
誰もが読みそうな小説を抜く
いつものことだ
詩を読むことは恥ずかしいことだから
誰かに見られてはいけない
足音が遠ざかれば
僕はまた一冊の詩集を手にして
読むことより
読んでいる僕が見られないように
細心の注意を払うのである