運動公園の片隅で ベニヤ板を曲げるように ひびが入らぬ程度の 痛みを味わうストレッチ 競技場の中では 高校生が美しい筋肉を 輝かせて走っている 瞬発力と持続力 ないものねだりを横目に コルセットをきつく締め付け 靴紐をやっとの思いで 強く結び直し 外周を走ってみた 足、腰、頸、腕は大丈夫だ 頭が痛いのと息が とてつもなく苦しい呼吸 一キロメートルがとても長い 学生の頃には馬鹿にしていただろう 運動量がすでに猛特訓だ 桜が散り始め新しい葉が 青々と時間の流れをみせ それは新たなるスタートでもあった 肩に落ちた花びらと共に走り終え タイムは六分九秒 明日に繋がる気がしていた