春のリハビリテーション
3月
30日
ベニヤ板を曲げるように
ひびが入らぬ程度の
痛みを味わうストレッチ
競技場の中では
高校生が美しい筋肉を
輝かせて走っている
瞬発力と持続力
ないものねだりを横目に
コルセットをきつく締め付け
靴紐をやっとの思いで
強く結び直し
外周を走ってみた
足、腰、頸、腕は大丈夫だ
頭が痛いのと息が
とてつもなく苦しい呼吸
一キロメートルがとても長い
学生の頃には馬鹿にしていただろう
運動量がすでに猛特訓だ
桜が散り始め新しい葉が
青々と時間の流れをみせ
それは新たなるスタートでもあった
肩に落ちた花びらと共に走り終え
タイムは六分九秒
明日に繋がる気がしていた