ほかの言葉を探したけれど 見つからない さざ波を眺め揺れる髪を とどめる指はしなやかに弧を描き 僕が彼女のそばに居ることが 信じられないほど自分が見窄らしいと 思っているのはたぶんその通り 夢ばかりみている僕は 現実の中では君を守れていないし 喜ばすことさえ上手にできていない でも君は美しく 何も言わずに手を握ってくれる 僕は内緒の涙を流しているけど 君は気づかない振りをしてくれる 夕陽がひろがり僕たちにたどり着き 君の微笑みに触れてみたら 頬は赤みをますほどに愛らしくて ふたたびさざ波へ視線をかえす 君は……