ラーメン屋に入って いらっしゃいませもなく 水もこないのだから たいして客がいないのに 注文が後から来た客に抜かされる やはり俺は透明人間なのか まあ、わざとこちらから声を掛けないと どうなるのか、試しているわけだが カウンターの真ん中で俺は透明人間 もう7、8分過ぎただろうか こんな詩を書いている場合ではないな なんだか腹が立ってきた ふつう、気がついて注文を 取りにくるだろっ 水ください 派手に手をあげ ちょっとデカめの声で 通り過ぎようとする店員に声をかける んっ、完全スルーだな あんたの視界に俺はいるだろっ おいおいそこまで存在なしかよ ああ、もう出よう ドアをガンッと閉めて出たけど やはりラーメンが食べたい そんなわけで違うラーメン屋へ なんだかドキドキしている また俺はラーメン屋で透明人間に なってしまうのではないかと いらっしゃいませ カウンターでよろしいですか おう、俺の存在があった ラーメンが食えるぞ 水もきたし注文もできた それにしてもさっきの店は どんだけ俺を嫌っているんだよ わけわかんないことが 起きるんだよな、たまに