俺は透明人間か
10月
26日
いらっしゃいませもなく
水もこないのだから
たいして客がいないのに
注文が後から来た客に抜かされる
やはり俺は透明人間なのか
まあ、わざとこちらから声を掛けないと
どうなるのか、試しているわけだが
カウンターの真ん中で俺は透明人間
もう7、8分過ぎただろうか
こんな詩を書いている場合ではないな
なんだか腹が立ってきた
ふつう、気がついて注文を
取りにくるだろっ
水ください
派手に手をあげ
ちょっとデカめの声で
通り過ぎようとする店員に声をかける
んっ、完全スルーだな
あんたの視界に俺はいるだろっ
おいおいそこまで存在なしかよ
ああ、もう出よう
ドアをガンッと閉めて出たけど
やはりラーメンが食べたい
そんなわけで違うラーメン屋へ
なんだかドキドキしている
また俺はラーメン屋で透明人間に
なってしまうのではないかと
いらっしゃいませ
カウンターでよろしいですか
おう、俺の存在があった
ラーメンが食えるぞ
水もきたし注文もできた
それにしてもさっきの店は
どんだけ俺を嫌っているんだよ
わけわかんないことが
起きるんだよな、たまに