正しき葛藤
10月
15日
察するように猫が布団へ潜り込んで
ゴロゴロと言っている
比喩した詩など書けそうもない
ストレートな言葉しか
吐き出せないくらい滅入っている
昨日までの熱き日々が
いとも容易く冷めていた
呼吸を感じても
お前は終わっちゃいないだろう
そんな私は微塵しかなくて
このまま終わってしまうことも
受け入れてしまいそうだ
正しきは煩わしさなく強く
私の背を押し続けてきたけれど
今は堕落の速度に怯えながらも
覇気なきも正しきとなりつつ
猫が私に呆れ始めたようだ
振り向きもせず布団から出てゆく
今はただ耳をすませ
猫の足音を聴こうとしている