JR板橋駅から三田線新板橋駅へ歩く 乗り継ぎの道のりは日差しが脳天を突き刺す 肩幅の日陰からはみ出せない足どり 左手にペットボトル、右手にハンカチ 目指すは、とある餃子屋 北海道の叔父さんが私の退院祝いを 母のところに送っていた 十代の頃にバイクでよく旅をしていて 叔父さんのところへ二度ほど行った 道のりは遥か遠く二日ほど走って お世話になった叔父さんも昔、東京にいて そこの餃子が好きだったと言っていたのを思い出す 北海道に引っ越してからは食べていないから 元気になりました、と手紙を入れ冷凍配送した そして、私もそのお店でビールと餃子をいただく 冷たい麦汁が喉にグングンと刺さる この暑さの中、たどり着いた幸せがここにあった 皮の厚い餃子に醤油をつけ ホクホクしながら元気になる源が包まれ 美味しさは暑さを飛ばしていた ああ、ここへ来て良かった またビールを流し込む 私はすでに叔父さんの喜ぶ顔を思い浮かべ 幸せな気分になり 帰りの猛暑に負けない気がしていた