高台のホームに立つ 電車は私の時間を裏切り 冷え込む身体 愚痴を呟く熱では温まる訳がなく 遠い四角を見ようとする 二月に入り風が 存在を強調しながら吹いてくる やっと電車の姿が見えると 俺はちっとも寒くない そんな顔をして ほっとしているのは 誰とコミュニケーションを しているのだろうか たいして強くない身体 たいして強くない精神 一歩踏み込む眼鏡の曇る車内 手足が溶けていくように 痺れが生じては 自分の冷たさを知って思う 数分の間に無くした何を 温かさで取り戻したというのだろう 俺は何に強がって弱いのだろう 俺は誰に強がって弱いのだろう