二月が吹けば
2月
7日
電車は私の時間を裏切り
冷え込む身体
愚痴を呟く熱では温まる訳がなく
遠い四角を見ようとする
二月に入り風が
存在を強調しながら吹いてくる
やっと電車の姿が見えると
俺はちっとも寒くない
そんな顔をして
ほっとしているのは
誰とコミュニケーションを
しているのだろうか
たいして強くない身体
たいして強くない精神
一歩踏み込む眼鏡の曇る車内
手足が溶けていくように
痺れが生じては
自分の冷たさを知って思う
数分の間に無くした何を
温かさで取り戻したというのだろう
俺は何に強がって弱いのだろう
俺は誰に強がって弱いのだろう