君の心はこんなに 冷たくて切なくて哀しくて 時の風にも吹かれぬまま 降り積もるチェロの音だけが そこにいることを示す ビルの谷間に響く 道化師の揺らめく弦 涙の化粧は 嘘をつくのが上手で 立ち止まるひとびとに 視線は合わせず ずっと遠くを見る瞳 過去を膨らます趣向 未来というおとぎ話を消し 白い花を想いださせ 進まない不安定を飾る やがて君は壊れたように 演奏を終えて崩れてゆく ひとびとがまた流れだす コインが重なる音 ふたつなれば 君は生き返ったように お辞儀をみっつした