避けたつもりが 見抜けなかった自分の穴 落ちた底には紙一枚 記された『危険』の文字 気色悪さに壊し始める 紙がクシャクシャと笑い 僕は血に染まった玉となり 必死に逃げようとする 放り出そうベランダの向こう 最初から存在しない夢 やけに眩しく誘う 青を欠いた崩れるカラダ 最後の力も及ばず 手すりも遠く笑って 懐かしい筋肉が触れたのなら 摑まえる痛みの温もり 物干し竿にぶら下がった紙一枚 記された『馬鹿なことをして』の文字 人肌の雨が落ちている 「姉さん、僕はまだ生きているのかい」 「生きているわ、しっかりしなさい」 瞼を閉じれば浮かぶ紙一枚 記された『ごめんなさい』の文字 光に泳ぐ塵埃 「姉さん、僕は死にたくないよ」