amulet
12月
30日
見抜けなかった自分の穴
落ちた底には紙一枚
記された『危険』の文字
気色悪さに壊し始める
紙がクシャクシャと笑い
僕は血に染まった玉となり
必死に逃げようとする
放り出そうベランダの向こう
最初から存在しない夢
やけに眩しく誘う
青を欠いた崩れるカラダ
最後の力も及ばず
手すりも遠く笑って
懐かしい筋肉が触れたのなら
摑まえる痛みの温もり
物干し竿にぶら下がった紙一枚
記された『馬鹿なことをして』の文字
人肌の雨が落ちている
「姉さん、僕はまだ生きているのかい」
「生きているわ、しっかりしなさい」
瞼を閉じれば浮かぶ紙一枚
記された『ごめんなさい』の文字
光に泳ぐ塵埃
「姉さん、僕は死にたくないよ」