今日も飲まされながらも 満たされぬ渇きが次第に強くなる 主人はテーブルにコップで差し出す ふたりは笑窪をつくる、上手につくる 定事の絶対に手だけが震え 右手に左手を添えれば 左手も震え 次第にテーブルがガタガタと震え 床に共振すれば主人が痙攣し始めながら これは僥倖だ 素晴らしき我がオモチャよ さあ、もっと飲みなさい もっと、もっとだ 頭蓋骨の穴から甲高い声を発する 飲みたい、もっと飲みたいのです 水をください、どうか水をください 潤うことの知らない喉は水を欲しがる 与える優越が無情に有情を 終わることのないふたりの因果 主人は知っている 自分が本当はオモチャであることを テーブルに水のないコップを差し出す ふたりは笑窪をつくる、上手につくる 喉に拘束の美を流し込み 留まらない渇きに震えながら ふたりは笑窪をつくる、上手につくる