11月
27日,
2021年
沸く怒り
彼女は本当に誰にも優しく、およそネガティブな感情とは疎遠な人だった。
仲間内の一人は、彼女の事を「他人の悪口など一切言わない人だった」と、称賛していた。
でも、あっしは少し違和感があった。
最近は、やれアンガーマネジメントだなんだ、取り沙汰されるけど。
怒って何が悪い!
悪口や愚痴、言って何が悪い!
妬み、嫉み、有って何が悪い!
そんなドロドロしてるのが人間。
殉職して二階級特進、みたいな、そんな称賛だったら、要らねぇよ!
ネガティブな感情、俺ら、仲間内には晒して、たまにはガス抜きして、はけ口にしてくれれば良かったじゃないか!
そんな、黒いところを見せたって、それでも俺らは一緒にやっていける仲間だったじゃないか!
死んでしまったら、この怒りをぶつけることも出来ないじゃないか!
馬鹿野郎が。