7月
23日,
2021年
みんな、がんばれ!
この開催にあたり、無観客の対応や運営の不具合(ほとんど人災)など、ポジティブな情報よりネガティブな情報ばかりが目につく。
楽しみにしていた故にホスト国側からの、観客目線での不満も多々目にする。
分かる。
これが平時の開催なら、どんなにか素晴らしい大会になっただろうか!
我田引水になるかも知らん。
昨年、世界三大自動車レースのひとつ「ル・マン24時間レース」に関係者として、フランスへ飛んだ。桁違いに被害の多いフランスへ。
いくら運営側のリスクコントロールがあっても、レースウィークを過ごすのはサーキットだけではない。移動の道中から、滞在中のリスクは決してゼロじゃない。
だから、行く以上は覚悟していた。
仮に、開催直前に親兄弟、肉親、親友に何があってもレースを優先する。仮に滞在中何があっても、行く。仮に自分自身が白木の箱で帰国する結果となっても。
幸い結果論として何も無かったのだが。
それは、無事に帰国したから今言える事で、当時はそう覚悟するしか無かった。
まして、ウチのチームはLMP1のような確実に参加が認められるワークスじゃない。
金が有れば何とかなりそうなGTクラスでもない(そう言うとハコの人は気分を悪くするだろうが)。
アマチュアドライバーが乗る、現在世界最速マシンを操るLMP2。
そこに、レースを始めた最初からパートナーとして過ごした還暦ドライバーが挑戦する!
こんなBIG-ONEは、後にも先にも有ろう筈がない!
通常、参加するだけでも難しいル・マンに、ただレースが好きという理由だけで努力してきた還暦のドライバーが、世界的なパンデミックで開催すら危ぶまれたなか挑戦する!
だから、レースできる場所が有ったことに心から感謝している。だって、次の保証は無いから。
そりゃ、あれが平時だったら、、と強く思うのも事実。
観客が狂喜乱舞し、不夜城のような盛り上がりの中を走らせてあげたかった。
自分自身、そんなレースを見たかった。
苦しい闘いの直前のスターティンググリッドへ一緒に行きたかった。一晩中、コースをぶらついていたかった。
観客の割れんばかりの歓声に包まれたかった。
ドライバーにはそんな中でチェッカーを受けて欲しかった。
実際には無観客で粛々とレースは始まり、終わった。
今、オリンピックに思う。
もし、開催すらされなかったとしたら…
エントラントとしては、悔いても悔やまれない。
その場所が用意されいるだけでも、有難い。
中には政情不安や経済状況に苦しむ参加国もある。それでも参加してくれた。
遠い、世界的な立場からすれば極東の小さな国へ、暑いこの国へ来てくれた。
感染症の陽性反応で参加出来なかった選手も居る。パンデミックを懸念して拒んだ選手も居る。
それは誰にも責める権利は無いし、平時ではない今の事実だ。
二人しか居ない国の選手を目の当たりにして、心細かろうが精一杯頑張って欲しいと思った。
皆、それぞれの事情があるなか、それでも闘う為に来てくれたのだ!
それぞれの覚悟を背負って!
戦争ではなく、スポーツの理念と規則に乗っ取った平和な闘いに来てくれたのだ!
いろんな意見はあって然るべきだ。
それこそが民主主義だから。
でも、いま、世界中で噛み締めるべきだ。
選手の居場所があるという素晴らしい事実を!
大変な中でも、無事に終わってしまえば良い思い出になる。きっと。
だって、残念な事は多かったのも本当だけど、大変なレースウィークを過ごした自分自身が、心からそう思うから。
選手の皆さん!
どうか精一杯頑張って下さい!
良い記憶や記録のために!
ワオ!と言っているユーザー
ワオ!と言っているユーザー