「籠いっぱいのレモン」 (増田)
3月
12日
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もう長いこと、あるグループの会員として、米軍座間キャンプ婦人会との交流活動をしています。その活動を支えるため、会ではほぼ毎週、英会話のクラスもあります。
現在の先生(L先生)は、去年の夏から日本に住んでいる41歳のアメリカ人女性。大学卒業後まもなく結婚し、4人の男の子を育てながら、もうすぐ博士の学位が取れることになっているというがんばりやさん。スラリと背の高い、おしゃれな先生です。
そのL先生に、この1月、乳がんが見つかりハワイの病院に行って手術を受けることになりました。1月の最初の授業で私たちにそれを告げた時には動揺を隠せない様子で、先生は目に涙を浮かべていました。
家族を日本に残し6週間のハワイ滞在から戻った先生は、2月25日、再び私たちの前に元気な姿を見せてくれました。
ですが、その口から出たことばは、「この後6ヶ月間、私は抗がん剤と放射線の治療を受けなくてはなりません。色々考えた末、故郷のウィスコンシンでその治療を受けることにしました」というものでした。
続けて、小学生の下の二人は連れて行くが、中高生の二人は、父親と日本に残ること。3月8日に出発するが、治療が終わった9月にはまた、このグループを教えたいことなどを、淡淡と話されました。
1月の時とは違って、先生は気持も吹っ切れたようで、こう締めくくりました。
「今は忍耐の時。”When you are given a basket of lemons, you make lemonade.” と諺にあるように、私は、すっぱくてそのままでは食べられない、籠いっぱいのレモン(乳がん)を与えられたけれど、それを転じさせて、おいしいレモネードを作り出せればと思っているのよ」と。逆境を乗り越えてその先の人生に活かそうというメッセージだと思います。
3月4日にもう一度レッスンに見えるというL先生のために、私たちは千羽鶴を贈ろうと相談し、一週間それぞれ家でせっせと折鶴を折り、先生の回復を祈ってプレゼントしたのでした。
(増田)