満点防止問題 (カーネル笠井)
10月
21日
「算数の5番の(3)と、6番の(4)は残念ながら正解者がいませんでした。」
何で誰も正解できないような問題を出題するのだろうか?と思いますが、これにはいろいろと理由があるようです。その理由の中の1つに、考えさせられるものがあります。
子供達に試験の手ごたえを聞くと、こんな答が返ってきます。
A君「全部解けた。もしかすると満点かもしれない。」
B君「一応みんな解けたけど、1〜2問自信のないのがあった。」
そしてこの結果は、A君は70点前後、B君は90点前後ということが多いのです。ところがこれを親が聞くと、A君の場合は「悪くても90点ぐらいは取れているわ。」、B君の場合は「他にもきっと間違いがあるかもしれないから、70点ぐらいだわ。」となるわけです。
仮にこれが入試の場合、A君の報告を聞いた親はもう合格したつもりになります。そして、もしこれが不合格の場合は、A君「何かの間違いかも知れないから、学校に聞いてみてよ。」、親「そうね。その可能性もあるからすぐに問い合わせてみましょう。」となり、収拾がつかなくなってしまうようです。模擬試験とちがい、入試では答案が返却されることはありません。子供達の答案はおそくとも1〜2ヵ月後までには処分されてしまうのです。これが残っているとまたややこしい問題も起こるようです。大分県の教員採用試験の答案が処分されていて問題になりましたが、私立中学の場合は、こういったことにはおかまいなしなのです。
満点防止問題には他にも「質の高い問題の出題が学校のイメージを高めてくれる。」、「早く終了してしまった生徒がよそ見をしたりするのを防いでくれる。」など、いろいろと効用があるようです。
こういった問題を試験時間内に解こうとすると、かえって得点を落とす結果につながり、本当の力を十分に発揮することができません。自分の解ける問題と、あきらめる問題をすばやく判断し、解ける問題だけを正確に解く練習が必要な時期に入ってきたのです。
入試まであと100日を迎えようとしています。満点防止問題があることを意識して、何でもかんでも解こうと深入りしないことも大切な受験テクニックです。 カーネル笠井
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