豊かさがもたらしたもの (ラッコ横山)
10月
16日
ところが、国別では日本は上位ではありません。逆に中国や韓国は全種目で強さを発揮しました。
この背景には「ねばりのなさが出た」と強化委員長のコメントがありました。いわゆる難問が出題され途中であきらめた日本の選手に比べ、強豪国はなんとか答えを絞りだし、点数をかせいだことが得点差につながったのです。
この原因はニンジン作戦です。中国や韓国、台湾は代表選手に無条件で難関大学への推薦入学資格を与え、メダリストには奨学金も出すそうです。ところが日本はと言えば、似た精度はあるもののあまり浸透していないようです。さらに予選参加者の分母も異なり、化学では中国や台湾、ロシアは数万〜20万人、日本は自由参加で約2000人となっています。韓国などは各高校から優秀な生徒を選抜して代表を決めるようです。何でもそうでが選手層の厚みがこのような結果につながっているのでしょう。
国全体の取り組み段階で大きな差になっていることも大きいのですが、それ以上に豊かになりすぎた日本の子ども達を取り巻く環境にも原因があるようです。
昨日 6年男子との会話です。「合格したらご褒美がもらえるなら僕 頑張るよ!」・・・「そうなんだあ〜。じゃあ、合格したら何が欲しいの?」・・・「ん〜、そうだなあ〜、ええと〜、ん〜・・・、別にないや!」
<国際科学五輪 2008年の国・地域別順位>
(数学)
・1位 中国
・2位 ロシア
・3位 アメリカ
・・・
・11位 日本
(物理)
・1位 中国
・2位 台湾
・3位 韓国
・・・
・17位 日本
(化学)
・1位 中国
・2位 ロシア
・3位 ウクライナ
・・・
・33位 日本
(生物学)
・1位 韓国
・2位 台湾
・3位 アメリカ
・・・
・14位 日本
(ラッコ横山)