鉄則の良し悪し (カーネル笠井)
7月
8日
妻「何、このコマーシャル。人をバカにしているんじゃない。」
ある家庭教師派遣会社のテレビコマーシャルを観ての反応でした。私はそれをぼうっとしか観ていなかったせいか、それほど気にもしませんでした。でもそう言われてみて、昔上司に言われたことを思い出しました。
以前、教室の宣伝の為に新聞の折込チラシの裏面を作成していたときのことです。何とか興味を持ってもらおうといろいろ工夫をしたつもりのものを上司に見せるとボツで、もう一度作り直していたのです。その何回か後のチラシでまたボツになったとき、このときはしつこく食い下がりました。すると、初めは話してくれなかったその理由を話してくれたのです。
上司「内輪受けする内容は、他人が見るとしらけるんだよね。」
とポツリと言ってくれました。これは宣伝業界では鉄則のようです。そう言われて私は、何となくそのことを感じていたので反発するよりもむしろ自分の未熟さをなさけなく思いました。
では何でそのことをもっと早く言ってくれなかったのでしょうか。きっと、若者のヤル気とそこから生み出される新しいアイデアは、どこの企業においてもかけがえのないものなのでしょう。その代わりにいろいろと初歩的なミスを犯しますが、そこをうまく修正するのが上司の仕事と心得ていたのでしょうか。
最近のテレビ番組やコマーシャルを観ていると、よくこの鉄則が守られていない内容のものが目につきます。上司のチェックが及ばないのか、それ以上に新しいアイデアが出てこなくて仕方なくOKを出しているのでしょうか。
子供達の勉強を見ていても同じようなことが言えます。興味を持って突っ走っているときには、いろいろな勘違いや回りくどい方法ををしています。でもそれをはじから修正するとヤル気をなくしてしまいます。でもベストでない方法が多いと必ず行き詰まります。ですから、そのときに初めて少し前までもどって修正してやるととてもスムーズで理想的な勉強ができ、思いがけない好成績を上げてくれるのです。これを考えると前述のコマーシャルも若手のヤル気をなくさないという意味では仕方のないことなのかも知れません。
ベストでない方法を多く使っている子供の成績は必ず伸び止まり、ヤル気もなくなってしまいます。ですから併走する大人がタイミング良くこれを修正してあげる必要があります。でも修正が多すぎると逆効果になってしまうのです。ところが、このくせ(ベストでない方法)が多少残っていて思うように成績が伸びないときがあっても、時間がたつとこれはむしろ個性になるような気がします。大人になっても勉強に興味を持ち続けている人を見ると、このくせが残っている人の方が断然多いと思います。悪いくせが勉強を続けるエネルギーのもとになっているとさえ思えてしまうのです。
子供達を指導していく上で、ヤル気をなくさせないことと、正しい方法を身に付けさせることのバランスが一番難しいと思います。
カーネル笠井
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