男性長寿日本一 (カーネル笠井)
3月
4日
少し前に話題になった、中国産の偽ハチミツ問題。白砂糖を煮詰めてカラメル状にしたものに、クエン酸と少量の本物のハチミツを加えて作っているそうです。中国でのハチミツの生産量は年間20〜30万トンですが、流通量は年間50〜60万トンもあるそうです。この数字を見ただけでも偽物がいかに多いかがわかります。そして、日本で流通しているハチミツは国産が約5%足らずで、中国産が約90%にも上るのです。ということは、ほとんどが偽物ということになってしまいます。
わが家では必ず“純粋ハチミツ”という表示のものを買ってきて使用していますが、考えてみれば昔食べていたものに比べてやはり値段はかなり安いのです。それに以前食べていたものは、たいていもっと広口のビンに入っており、何回か使うとフタの周りにクリーム色の固形物ができていましたが、どうやらこれが本物の証拠だったのかも知れません。つまりここ10年近くはきっと偽物のハチミツを中心に食べていたようです。しかし個人的にはハチミツにもローヤルゼリーにもそれほどの価値を感じていなかった私は、妻やその他周りの人達ほどこのニュースを聞いてのショックはありませんでした。どちらかというとむしろ白砂糖派の私は、興奮している妻の横で「それでも本物のハチミツが少しは入っていたから良かったじゃない。」等と言って余計妻を怒らせてしまいました。
私がハチミツに価値を感じなかったのは、ハチミツだけをエサとしているミツバチの成虫の寿命が1〜2週間程度しかないからです。ハチミツの主成分は糖質で、この他に90種以上の微量成分が含まれているといわれていますが、これを主食としているミツバチでもこの程度しか生きられないのです。それに比べてその40倍以上も長く生きる女王蜂はローヤルゼリーをエサとしています。ローヤルゼリーは働きバチが花の花粉を体内に取り入れ、これを分解・合成してだ液腺から分泌するもので、女王蜂になるよう虫のエサとなります。これにはハチミツの糖質の他にたんぱく質や脂質も含まれていて、これをエサにすると体も大きく成長し、長生きもできるのです。でも人間はこれにあたる成分を肉や納豆やその他の食品で充分に摂っているはずです。ですから、ローヤルゼリーが優秀というよりもハチミツにはそんなに栄養がないと考えているからです。
ハチミツのもととなる花の蜜は植物が花粉を運んでくれるミツバチ等を引き付けるために作られたもので、花粉は自分の子孫を残す為に作られたものです。ですから、他の動物達のエサとなるものを完全なものとして作ってくれるはずがないのです。それでもミツバチは花粉を利用する知恵と機能を身につけて生きてきたのです。
こう考えると、植物は一番大切な養分をどこに貯えるのだろうかということが問題になります。まず種子が考えられますが、もう少し視点を変えて考えると地上部よりも地下部の方がより重要な気がするのです。つまり人の食物で考えると根菜が最も栄養が詰まった食物なのではないでしょうか。
長野ではニンジン、ゴボウ、ダイコンの他、長イモ、里芋、ジャガイモ、コンニャクなどの根菜が常に食卓に上がります。この辺に長寿の秘密があるような気がします。
カーネル笠井