最近、頭の切り替えが遅くなってきたことをひしひしと感じるようになりました。授業に入ってもなかなかその教科のモードに入れず、普段なら簡単に解けるはずの問題の説明にも四苦八苦するありさまです。でも10分もたつと何でもない内容の問題であったことに気が付くといった具合です。
以前、女子校の最難関校である桜蔭中学校の入試問題は、算数と理科の問題が合体しており、1枚の問題用紙に算数と理科の問題が交互に並んでいるという、特別な形式をとっていました。そして、国語と社会も同じように合体していたのです。この問題を算数だけ、理科だけに分けて取り出して解いてみると難関校のわりには意外と易しい問題だったのです。きっと、子供達にとって算数を解き、すぐに頭を切り替えて理科を解くという作業が思いのほかに難しくて、なかなか高得点が取れなかったようです。どうやら、年寄りと子供は頭の切り替えが苦手なようです。入試の狙いも、こういった問題に対処できる頭の切り替えが素早い子を入学させたかったことにあったのだと思います。しかし、現在では4教科が別々になってしまい、算数も理科も問題のレベルが数段と高くなってしまいました。
過去問演習や合不合の判定テストで、各教科の成績が安定しない子が多くいます。あるときは算数の出来がとても良く国語の出来が悪かったのが、次のときはこの逆に国語の出来が良くて算数の出来が悪かったといった具合です。そんな子供達の話を聞いてみると、前回悪かった教科を今度はがんばろうとして、そこに全神経を使ってしまい、他の教科には気が回らないでおろそかになってしまったようです。本体どちらの教科もできるはずなのに、とてももったいないことです。
こんなタイプの子は、今後は頭の切り替えを練習する必要があります。そのための一番簡単な方法は、終わった教科のことはもう考えないで、次に行われる試験の教科のことだけを考えるという方法です。こうすることだけで頭の切り替えがスムーズにできてしまします。
試験前の10分間、次に行われる教科のことだけをあれこれと考え、上手に頭のモードを切り替え、もらすことなく実力を発揮して悔いのないない受験を送って欲しいと思います。
カーネル笠井
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