全国でメガソーラー(1000キロワット以上の大規模太陽光発電所)への風当たりが強まっている。
「脱炭素」の掛け声の下、国の旗振りで爆発的に導入が進んだが、景観破壊や土砂災害誘発のリスクに加え、中国など外資による用地買収に「国防上の懸念」も指摘されているのだ。
倒産した事業者が太陽光パネルを放置する問題も表面化しており、専門家は現行制度の不備を強く指摘する。その深刻な実態を追った。
福島市は8月末、「ノーモア メガソーラー宣言」を発出した。建設中も含めて市内には26カ所のメガソーラーがあり、同市では「市民からも山肌が削られた景観への失望や、土砂災害を誘発するのではと不安の声が上がっている」と説明する。
経産省によると、今年3月末時点で事業認可を受けているメガソーラーは全国に8600カ所以上もある。
元農水官僚で再エネ事業の土地買収の実態に詳しい姫路大学の平野秀樹特任教授は、福島市の宣言にも「遅きに失したと言わざるを得ない。
メガソーラーに適した用地買収はすでに全国で終わってしまい、主戦場は風力発電に移った。国土がどれだけ外資に買われているかも全貌を把握することは困難だ」と話す。