都内125企業が割増賃金17億円を遡及支払
1月
31日
http://tokyo-roudoukyoku.jsite.mhlw.go.jp/var/rev0/0129/5420/201411515541.pdf
より
-監督指導による賃金不払残業の是正結果(平成24年度)-
東京労働局(局長 伊岐 典子)では、平成24年4月から平成25年3月までの1年間(平成24年度)に、管下18の労働基準監督署(支署)において、時間外・休日・深夜労働に対する割増賃金が適正に支払われていない企業2,300社に対し、労働基準法第37条違反としてその是正を勧告・指導し、その結果、支払われた金額が100万円以上になった125企業の状況について以下のとおり取りまとめました。
<東京労働局における平成24年度の監督指導による割増賃金遡及支払概要>
1 対象企業数 125件 (対前年度比 △11件)
対象企業数を業種別にみると、商業が44件と最も多く、次いで、その他の事業(情報処理サービス業等)30件、教育・研究業10件の順であり、これら業種で全産業の7割弱を占める。
2 対象労働者数 14,540人 (対前年度比△2,931人)
対象労働者を業種別にみると、その他の事業(情報処理サービス業等)が
7,392人と最も多く、次いで、商業3,131人、保健衛生業1,479人の順で
あり、これら業種で全産業の8割強を占める。
3 遡及払額 17億6,464万円 (対前年度比△5億5,826万円)
遡及払額を業種別にみると、商業が7億8,821万円と最も多く、次いで、その他の
事業(情報処理サービス業等)4億2,021万円、接客娯楽業2億345万円の順で
あり、これら業種で全産業の8割を占める。
また、1 企業当たりの支払金額は1,412万円となり、労働者1人の平均支払金額は12万円であった。
この結果を踏まえ、東京労働局では、賃金不払残業を解消するための監督指導をより一層、重点的・積極的に推進し、長時間労働の抑制、過重労働による健康障害の防止とともに賃金不払残業の解消に向けた労使の自主的な取組の促進を図るための周知・啓発活動を展開することとして
いる。
過去4 年、企業数については横ばいで推移している。
1 企業での最高支払金額は5 億408 万円、業種は商業、次いで2 億6,373 万円、その他の事業(情報処理サービス業等)であり、これらを含めて支払金額が1,000万円を超えた事案は18 件あった。
業種別にみると、対象企業数、支払い金額ともに商業が多く、対象企業は全体の35 パーセントを、支払金額は全体の45 パーセントを占める。
一方、対象労働者数は、その他の事業(情報処理サービス業)が最も多く、全体の過半数を占める。
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☞ 1企業で1億を超える支払があった3つの事案が示されております。
①商業における事業場外のみなし労働の否認。
②情報処理サービス業の裁量労働の否認。
③旅館業のIDによる勤怠管理記録と始業・終業時刻の不整合による否認。
携帯電話が当然のように普及しておりますので、事業場外であっても労働時間の算定が可能ですし、携帯電話で随時報告を行い、支持を受けているような場合はダメでしょうね。圏外でないと無理かも知れませんね。
裁量労働制については、労使委員会を開催し、ある意味厳格に運用しないと、裁量労働制自体を無効にされてしまい、結果、遡及して割増賃金が発生となります。
IDによる入場・退場の記録は、諸刃の剣というと変ですが、IDにより記録されている時刻を始業・終業時刻とみなされます。敷地が広大な場合など終業時刻との乖離に合理的な説明がつかないと労働時間として算定されます。自習していたという理由を申告する場合もありますが、参加強制や暗黙の強制などなかったかがポイントとなります。
朝の体操や朝礼も同様です。