http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/24.html
より
上記ページのグラフと表示されているファイルが見易いです。
従来、中卒・高卒・大卒の3年以内の離職率は、「七五三」傾向と言われておりました。
中卒7割・高卒5割・大卒3割の離職率です。
今回発表されました平成22年度卒では、前年に比べ中卒以外は離職率が増加に転じております。リーマンショックが2008年(平成20年)に起こり、その後に内定取り消し、採用控え等がありました。その影響で、卒後3年以内離職する人がそもそも少なかったのが近年の離職率減少だと思われます。
それが増加に転じたということは、採用が増加したことの現れと言えます。
平成22年度卒 3年以内離職率
中卒 62.1%(前年比2.1%減)
高卒 39.2%(前年比3.5%増)
短卒 39.9%(前年比0.6%増)
大卒 31.0%(前年比2.2%増)
業種別での離職率の推移に大きな変化はありませんが、3年以内で50%を超える離職率の宿泊業・飲食サービス業は突出しております。
<高い離職率業種>
宿泊業・飲食サービス業 51.0%
教育・学習支援業 48.9%
生活関連サービス業・娯楽業 45.4%
<低い離職率業種>
電気・ガス等ライフライン産業 8.8%
鉱業・採石業 13.6%
製造業 17.6%
昨今のブラック企業認定(実際に認定可能かどうかは別にしまして)につきましては、上記の数字を参考にするのかも知れません。業種での離職率の振れ幅が大きいですので、業種ごとでの数字が一つの基準になろうかと思われます。
業種平均の30%以上でストロング・ブラック、20%~30%でブラック、10%~20%でアメリカン(weak)、10%未満でカフェオレ?といったあたりでしょうか。
例えば、宿泊業・飲食サービス業で51.0%が平均ですから、
66.3%以上 ストロング・ブラック
⇒ 2年連続達成で強制是正指導対象
61.2%以上 ブラック
⇒ 2年連続達成で是正勧告対象
56.1%以上 アメリカン(weak)
⇒ 経過観察対象
56.1%未満 カフェオレ?
⇒ 対象外
恐らく、ブラックか否かという認定ではなく、上記のように段階を設定することになりましょう。国会や委員会等で何らかのモノサシが出てくるのではないかなと思います。
国会等でブラック認定の可能性がある企業として名前が出ると、それだけで企業は裁判に訴え出て賠償請求できるような気もしますが・・・
因みに、最高裁(第3小法廷・岡部喜代子裁判長2013.10月)では、過労死等が起こった企業名の公表はしないと判断しております。
過労死認定された企業の公表はしないが、離職率の高い企業の公表は行うってできますでしょうか?
公表はしないが、認定・指導はするといったあたりでしょうか。
仮に行うにしても、単純に数字だけで認定するのは無理があります。
プラス監督署への相談件数であったり何らかの要素が加味されないと、現に指導する監督署やハローワークが機能ストップしてしまいます。
そうなると現実的には、社会的に影響のある大企業又は何らかで事件化した企業が対象になるのでしょう。
追い出し部屋、反省文、明らかな左遷、パワハラ、いじめ、ハラスメント・・・といったブラック足らしめる要素が認定要件なのかなと考えます。
しかしながら、雇用の流動化、解雇規制緩和とは逆方向ですので、現政権では問題認識のメッセージは発しても、それ以上は進まないのではないでしょうか。
で、民間のブラック企業大賞(http://blackcorpaward.blogspot.jp/)などが一層もてはやされることになりそうです。
離職率データから余談が過ぎた感がございますがご参考までに。
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