不当解雇が24カ月分の補償でOKとなる法改正@イタリア
6月
29日
より
解雇条件緩和の法案可決/伊議会、政権の課題実現
イタリア下院は27日、企業が従業員を解雇する際の条件を緩和するなど一連の労働改革法案を可決した。正規雇用や外国企業の進出を促す狙い。上院は可決済みで、昨年11月に発足したモンティ政権が最大の課題としてきた改革が実現した。
巨額の公的債務を抱えるイタリアは最近、信用不安から国債の利回りが再び上昇(価格は下落)。構造改革努力を示して市場と欧州連合(EU)諸国を納得させようと、モンティ政権は28、29日のEU首脳会議前の可決にこだわった。
イタリアでは労働者憲章と呼ばれる法律の18条で、15人以上の従業員を抱える企業が正当な理由なく解雇した場合、その従業員を再雇用する義務があると規定。これにより企業が雇用に尻込みし、非正規雇用を増やしているほか、外国企業の進出も阻んでいると指摘されてきた。
改正法は、解雇に正当な理由がないと裁判所が認めた場合、再雇用ではなく、最大で月給24カ月分の補償金支払いを企業側に義務付けた。
労働組合側は「企業側の都合による解雇が増加する」と強く非難。
一方で産業界は、労組や左派系政党の圧力で盛り込まれた多額の補償金規定により、改革の内容が薄められたと批判。「解雇の際の企業側の負担が大きすぎる」と不満を示している。
(ローマ共同)
2012年6月28日
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解雇弾力化の基準としてグローバルに広がる可能性があるかも?
定年までの雇用義務が2年分の支払いで切れると考える企業も出てくる?