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健保組合の保険料率 上昇相次ぐ 平成24年度

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http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819596E3E2E2E1828DE3E2E2E6E0E2E3E09F9FEAE2E2E2
より

健保組合、保険料率上げ相次ぐ JRやコマツなど
高齢者医療の負担重く

 大企業の会社員が加入する健康保険組合が相次いで保険料率引き上げに動いている。JRグループやコマツなど2012年度中に実施する企業は約1400ある組合の4割程度に達する見込み。団塊世代が65歳以上にさしかかり、高齢者医療制度に拠出する支援金の負担が膨らむ。健保全体の平均保険料率は11年度の7.9%から8%台前半と02年度(8.5%)以来の水準に上昇する見通しで、企業収益や家計を圧迫する要因となる。

今年度に保険料率を引き上げる主な健保組合
(12年度の保険料率、%、カッコ内は前年度からの引き上げ幅)
ジェイアール
(JR)グループ 7.2(0.6)
JFE 7.8(0.4)
三菱自動車 9.5(0.2)
コマツ 9.5(0.7)
クボタ 9.0(1.0)
東 レ 8.4(0.1)
住友化学 8.7(1.6)
三井化学 7.5(0.7)
KDDI 7.8(1.6)

 健保組合は企業が単独あるいは同業と設立する健康保険。原則として従業員と企業が保険料を折半で負担し、従業員とその家族の医療費を給付する。

 健保組合全体では今年度、保険料収入から支出を差し引いた経常収支が5年連続で赤字となり、赤字額も前年度並みの6千億円規模となる見込み。各健保は経常赤字になると積立金を取り崩し、それでも賄えないときは保険料率上げで対応する。11年度は全体の約4割(予算ベース)の健保が引き上げに動いた。

 三井化学の健保組合は今年度、保険料率を0.7ポイント引き上げ、従業員の標準報酬月額の7.5%とする。JFEホールディングスの健保は0.4ポイント引き上げ、東日本旅客鉄道(JR東日本)などが加盟する「ジェイアールグループ健康保険組合」は9年ぶりの料率引き上げを決めた。

 例えば年収400万円の被保険者の場合では保険料率が8%から9%に上がると年間の負担は2万円増の18万円程度になる。企業側も従業員1人当たり原則として同額の負担が増える計算。三井化学では企業と社員らの負担は、それぞれ4億円程度増える見込み。

 健保が保険料引き上げに動くのは「高齢者医療制度の負担が増え、積立金では賄いきれなくなった」(ジェイアールグループ健保組合)ため。08年度からの後期高齢者医療制度では法律上、75歳以上の医療給付費の約4割を現役世代が負担する仕組み。さらに団塊世代が65~74歳の前期高齢者にさしかかり、この医療費も増えている。

 少子高齢化が進み、これら高齢者医療向けの支援金が健保の保険料収入の4割超に膨らみ、健保財政を圧迫している。特に大企業は、加入者の平均年収に応じて各健保の負担に傾斜をつける「総報酬割」が一部導入された影響で中小企業などに比べて、負担が重くなっている面もある。

 多くの健保が保険料率を引き上げているが、それでも赤字を埋めきれず財政が悪化している。各健保ではコスト削減策を急いでおり、コマツの健保は11年度にかけて人間ドックや歯科検診の補助などを休止。三菱自動車は2年ほど前、関連会社の健保を切り離すなどの健全化策を実施した。

 体力のある大企業は料率引き上げも含めた対応策でやり繰りしているが、中小企業向けの全国健康保険協会(協会けんぽ)は今年度に全国平均の保険料率が10%台に乗せるなど、財政悪化も一段と厳しい。
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特に三菱自動車とコマツは、来年度でも政管健保と変わらない状況に陥るかもしれません。
組合健保は、一般的に給付が手厚く、料率が低いのですが、運営も厳しくなっております。
若い世代が多い場合は、給付よりも保険料収入が多く健全財政になり易いですが、高齢化が進んでいる現在では、歯止めとしての対策はありません。
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