SNS禁止にすると若手が採用できない・・・?
11月
19日
より
職場に求めるものはもはや給与だけではない
若手の人材(若き才能)を職場にひきつける新法則
若手社員は自身のライフスタイルやイノベーション創出のために、ソーシャルメディアの利用、デバイスの自由度、柔軟な勤務形態を認める環境を望んでおり、必要であれば給与が低くてもかまわない
米国シスコ(本社:米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ:CSCO、以下 シスコ)が発表した自社調査によると、国や地域にかかわらず、職場でソーシャルメディア、モバイルデバイス、インターネットを制約なくより自由に利用したいという若手社員や大学生の要求が非常に高まっており、もはや職業を選択する際の重要なポイントとして、場合によっては給与よりも重視されていることが明らかになりました。
この結果をはじめ、「2011 Cisco Connected World Technology Report」の第2章では、次世代の労働力を担う若手社員が、他の世代とくらべて、柔軟な勤務形態やデバイス選択の自由度をいかに重要視しているかを浮き彫りにしています。そしてこの傾向が、インターネット、働き手のカルチャー(働き方)、そして企業の競争優位性という三者の間にある密接な関連性やその重要性を示唆していること、さらには、職場に「ミレニアム世代(21世紀世代)」が増えるにしたがい、従来若手社員を魅きつけてきた伝統的な手法がもはや実効性を失いつつあるという驚くべき事実も示しています。
調査結果の要旨
第2回年次「Cisco Connected World Technology Report」は、さらなるネットワーク化への要求が高まり、モバイル機器が高機能化、セキュリティリスクも増大を続ける情勢のもと、企業が、従業員のニーズとビジネスのニーズの間にあるバランスを探ろうと試行錯誤するなかで直面する課題を探るため、14カ国、2,800人を超える大学生および若手社員を対象に調査したものです。
職業選択および給与への影響
30歳未満の大学生および若手社会人の3人に1人(33%)が、仕事を選択する際には給与よりも、制約の少ないソーシャルメディアへのアクセス、自由なデバイス選択、柔軟な勤務形態を重視すると答えています。つまり、次世代の労働力を担う世界の若年層が期待し重視するのはお金だけではないという事実がうかがえます。モバイルネットワーク、デバイス選択の自由度、仕事とプライベートを一体化させたライフスタイルが、職場環境および企業文化を決定づける鍵になっており、産業を担う人材の新しい潮流を今後どの企業がつかめるのかを見極めるうえでますますその重要性が高まっています。
回答者の5人に2 人以上(大学生の40% および若手社会人の45%)が、デバイスの選択、ソーシャルメディアへのアクセス、モビリティにおける自由度は低いが高給の仕事よりも、給与が低くてもそれらの自由度が高い仕事を選ぶと回答しています。
職業選択におけるソーシャルメディアおよびモバイルデバイス ポリシーの影響
ソーシャルメディアへのアクセスを禁止する企業に対しては、大学生の半数以上(56%)が就職しないか、就職しても職務規程の隙を突く方法を見つけると答えています。
大学生の約 3 人に 1 人(64%)が就職面接中にソーシャルメディアの使用について質問するつもりだと答えており、全体の 4 人に 1 人(24%)が就職時の重要な決定要因だと考えています。
実際、社会人の 5 人に 2 人以上(41%)が、自分の所属する企業が、自分を採用する際に、自社のデバイス利用の自由やソーシャルメディアに関する指針について売り込みを行ったと述べています。
世界中の社会人のほぼ 3 人に 1 人(31%)が、ソーシャルメディアおよびデバイスに対する満足度は就職における要素のひとつであると考えています。このことは、企業が、自社の効率と競争力向上に役立つ技術をミレニアム世代が活用することでもたらす価値を認識していることの表れでもあります。
職業選択におけるリモートアクセスおよびフレックスタイムの影響
社外から、自社のネットワークおよびアプリケーションへのアクセスが禁止されている社会人は、その一番の理由として職務規程(48%)をあげています。これには、企業文化とともに、分散化するコミュニケーション文化に対する抵抗感が含まれています。
それにもかかわらず、社会人はより柔軟な勤務形態を求めています。少なくとも、世界の社会人の 4 人に 1 人(29%)が、リモートアクセスの可否が、退職の早期化、怠慢、あからさまな職務拒絶などの決断に影響を与えると答えています。
モバイルデバイスの重要性
利用できるデバイスおよび情報の重要性は、お金の重要性に匹敵します。大学生および若手社会人の半数(49%)が、スマートフォンや携帯端末を紛失するよりは、財布を失くした方がましだと答えています。
1 人 1 デバイスの時代は終わりました。社会人の 4 人に 3 人(77%)が、ラップトップとスマートフォン、複数の電話とコンピュータというように、複数のデバイスを所有しています。世界の社会人の 3 人に 1 人(33%)は、少なくとも 3 台のデバイスを職場で使用しています。
上記のデータにも示されているように、世界の大学生の 10 人に 7 人(71%)という大多数が、日常生活での公私におけるコミュニケーションの不可分性を理由に、企業から支給されるデバイスを公私どちらにも使用することを許可されるべきだと考えています。
大学生の 5 人に 4 人(81%)が、企業の資金を受けて自分で仕事用デバイスを購入するか、企業から支給される標準デバイスに加えて個人のものを持ち込むかのいずれかの方法で、仕事用デバイスを自分で選びたいと考えています。
社会人の 10 人に 7 人(68%)が、企業から支給されるデバイスから、ソーシャルメディアや個人的なサイトにアクセスすることが許可されるべきだと考えています。
世界の大学生の 5 人に 2 人以上(42%)が、自分たちがソーシャルメディアや個人的なウェブサイトを通じてつながる必要性に対して、企業は柔軟かつ共感すべきだと考えています。
職場の柔軟性および遠隔地からのネットワークアクセスに対する考え方
世界の学生の 10 人に 3 人(29%)が、働き始めたら、時間・場所ともに柔軟な勤務形態であることが、特権ではなく当然の権利であると考えています。
現在のところ、社会人の半数以上(57%)が、社外の一定地点から企業のネットワークへの接続が可能と答えていますが、いつでもどこからでも接続できるのは 4 人に 1 人(28%)に過ぎません。
5 人に 2 人(43%)は、いつでもどこからでもネットワークに接続できることが、仕事における非常に重要な要素だと考えています。
大学生の 10 人に 7 人(70%)が、重要な会議を除いて、オフィスに常駐する必要はないと考えています。実際、4 人に 1 人が、在宅または社外勤務が認められれば生産性が上がると答えています。世界的に見ても、社会人の 69% がオフィスへの常駐は不要と考えています。
一方、2010 reportでは、社会人(全ての年代)の 5 人に 3 人(60%)が、オフィスに縛られる必要はないと答えています。2011 年の調査結果から、次世代労働力にとって、柔軟な勤務形態、モビリティ、非従来型ワークスタイルへの期待が高まっていることが読み取れます。
大学生および社会人の半数以上が、自宅のコンピューター(63%)や個人のモバイルデバイス(51%)を使って企業ネットワーク上の社内情報にアクセスしたいと考えています。
世界の若手労働力が、今後、カーナビの画面、飛行機の座席背面の画面、テレビなど、企業以外の膨大な数のデバイスから、企業のネットワークやアプリケーションにアクセスできるようになることを期待しています。
本調査について
本調査はシスコの委託を受けて、InsightExpress が実施しました。InsightExpress は米国に本拠を置く第三者の市場調査会社です。
シスコは、モバイル性能、セキュリティリスク、よりユビキタスにアプリケーションと情報を提供できる技術(仮想化データセンターやクラウドコンピューティング、従来型の有線および無線ネットワーク)が高まる中、現在および将来の従業員とビジネスのニーズに対処しようと努力する企業が直面する現代的課題を理解するために、本調査を委託しました。
このグローバル研究は 2 調査から構成されています。一方は大学生を対象に、他方は 20 歳代の若手専門職を対象にしています。各調査には 14 カ国からのそれぞれ 100 人の回答者が含まれ、合計 2,800 人の回答者となっています。
14 カ国の内訳:日本、米国、カナダ、メキシコ、ブラジル、英国、フランス、スペイン、ドイツ、イタリア、ロシア、インド、中国、およびオーストラリア。
コメント
シスコ、ワイヤレスネットワーキング ビジネスユニット担当部長兼ジェネラルマネージャー、スジャイ・ハジェラ
「Cisco Connected World Technology Reportの結果から、大学生およびIT専門職に就く若手がどのように情報にアクセスしているか、その結果コミュニケーションの形態がどのように変化しているかが良く分かりくます。ビジネスコミュニケーションへの影響だけでなく、次世代社会人とその技術に対する要求が、職業選択、雇用、新世代のワークライフバランスに影響を与えることが証明されました。企業がこうした要求にどのように応えるかが、競争力および人事上の成功に影響を与えることは間違いありません。これはもはや、単なる技術トレンドではなく、ビジネストレンドなのです」
シスコ、コミュニケーションおよびコラボレーションIT担当部長シェリア・ジョーダン
「大学生および専門職に就く若手から得られたこうした結果から、ソーシャルメディアへのアクセスやデバイスの使用における自由度が、世界中の次世代労働力にとってますます重要になってきており、場合によっては給与よりも重要であることが分かります。Cisco Connected World Technology Reportによって、多くの業界の企業がこの事実を認識し相応に対応する必要性が明らかになりました。これまでの労働環境の状態は、過去のものになりつつあるのです」
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依存症では片付けられない時代なのですね。
若手や新人採用に今後影響が出そうです。
しかし、昨今のネット上での社内の様子等のUPによって炎上が散見されます。企業としては、恥をばら撒かれたり、機密漏えいされたり、たまったものではありません。
ツールを介してのコミュニケーションがビジネストレンドだという言い方はどうかと思います。やはり実際に会って話すことが重要であると私は考えます。
実際に会って話す必要がないのであれば、プログラムやアプリ相手にゲームしているのと何ら変わりなく思います。人が何を基準に選択したり、期待したりするのか、プログラムにしろアプリにしろ、土台になっているのは泥臭い人の行動や期待の態様です。
コミュニケーションは、ノンバーバルの部分が非常に重要です。ノンバーバルコミュニケーションの補完がバーバルコミュニケーションなのですから。嘘つくにしろ、真実を言うにしろ。
国策も人々が良しと思うようにプログラムされたバーチャル政治家に実権を握られる日も遠くないのかも・・・というのは笑える飛躍ではないかも知れません。