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精神疾患府職員が「急増」

スレッド
http://www.nnn.co.jp/dainichi/news/111008/20111008037.html
より

精神疾患府職員が「急増」 府議会総務委
2011年10月8日

 大阪府で2010年度に精神疾患で7日以上休業した職員の割合が全体の1・7%を占め、10年前の約2倍の割合に膨らんでいることが7日、分かった。行政に対する住民の目が厳しくなり、1人当たりの仕事量が増えるなど職場環境の変化が背景にあるとみられている。開会中の府議会総務委員会で執行部が明らかにした。

 総務委で職員のメンタルヘルスを取り上げた中村哲之助議員(民主)は「厳しい評価制度を導入すればますます追い込まれる職員も少なからずいるはず」と指摘し、府議会で過半数を占める大阪維新の会が5日提案した職員基本条例案をけん制した。

 府企画厚生課によると、精神疾患職員の延べ人数は00年度140人、05年度182人、10年度179人。行政改革で職員数が減少する中、全職員に占める割合は00年度0・8%、05年度1・2%、10年度1・7%と推移した。逆に精神疾患以外の疾患で7日以上休業した職員の割合は00年度4・2%、05年度3・4%、10年度3・3%と減少傾向にある。

 精神疾患職員の増加について、同課は「職場環境もストレスの要因の一つと考えられる」と説明。メンタルヘルス対策として産業医の相談日を増やし、全職員にストレス対処法の冊子を配布しているという。
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 さて、10年前の約2倍に増えた府職員の精神疾患の記事。

 経験的には、職場で精神疾患が出るのは、本人の既往病歴等を除けば、職場のシワ寄せの象徴であるとも考えます。過度に質・量を背負っている、背負わされているような場合でギリギリで走っていて、そこに公私で何か引き金になる出来ごと(大小問わず)で本人も意識しない内に陥ってしまう。しかし、責任感で頑張る、しかし、もう頑張ることを心身が拒否してしまっているからできない。さらに自分を鼓舞したり、至らない自分を責めたり。そう考える間もなく仕事の質・量に押し潰されたり。

 中小企業の場合だと、傷病手当金受給できれば良いですが、健康保険に入っていない会社も少なからずあります。また、就業規則の休職規定の期間はそんなに長くありません。3年勤続以上で1年、3年勤続未満で半年っていうのは、もしかしたら休職期間が長い方かも知れません。で、休職期間満了による自然退職となり職場を去って行きます。一人精神疾患が発生すると、職場で連鎖を生む場合もあります。欠けた人の分を周りでフォローすることも一因かと思われます。いきなり代替要員を補充できる中小企業も少ないですから。保障されている公務員との温度差は計り知れません。

 厳しい評価制度がなくても既に精神疾患は発生してます。評価制度を入れたから精神疾患が増えるというのは単純には言えません。相対区分の場合だと強引に最低評価のグループに陥る人が出てくるのも分かります。基本的にはB評価(真ん中のランク)に集まりますから、その集団が大きいと1点の違いで、下のランクに転落する可能性がありますので。

 その他影響がある要因としては、上司部下の関係性が悪い場合や無理な目標設定や評価基準を押しつけられたりした場合でしょうか。評価制度は本来は、上司部下でのコミュニケーションツールです。前期の振り返りを行い、来期に繋げていくために、どういう取り組みをするのが適切なのか、前期の取り組みに齟齬はなかったか、といったことをフィードバックする必要があります。PDCAを回していくということなのですが、これが人間関係やその組織の風土で回り難い場合があるのも事実です。

 学校の先生の場合、平均点を上げるという目標や評価基準については、間違ったことではないと思います。しかし、一律に府内での順位を競っての評価だと不公平なこともあります。また平均点を上げる部分に着目すると平均点上位の学校は、平均点下位の学校の平均点の上昇幅より小さくなってしまう場合も多いのではないでしょうか。学級ごとでも有利不利があるでしょう。民間会社で、営業の担当エリアで売上の難易度が違うのと同様です。ので、プロセス評価も導入してバランスの良い評価基準、評価制度を導入すれば良いと思います。確かに、責任が大きく権限が小さい学校の先生の職場環境は良いとは言えないかも知れませんね。学校を悪くしたいと思う先生は本来はいないと思いますので、そこらへんで適性な方向性を打ち出し、一致団結していくことに繋がれば良いかなと思います。一定の大枠の中で、自由に現場教育に没頭して頂けるように接点を見出して欲しいです。

 長年の慣行に浸かった組織を改革するのは、本当にしんどいです。組織改革の方策が、ある意味ドラスティックにならざるを得ない事も理解できます。

 さて、どうなっていきますことやら。
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林孝尚
林孝尚さんからコメント
投稿日 2011-10-09 16:56

ドラッカーさんではないですが、あなたにとって顧客とは?

言い古された言葉ですが、そこから改めて再出発ですかね。

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